普通の大福は2~3日の日持ちが普通なのですが、世には60日で賞味設定されている製品があります。(中には90日もあります)普段食べてる方は気にしないかもしれませんが、大福で常温60日とか90日というのは、結構クレイジーな数値なんです。
どうやって作るのか。
こんな製品です。常温保管で60日持つというのはギフトにしやすいですし、急な来客時などにも重宝するかもしれません。
簡単に言えば、食品は水分の割合が少ないほど雑菌が繫殖せず日持ちします。クッキーなどの焼き菓子が日持ちするのは、そもそも焼いているので水分が少ないからです。
しかし、大福は水分を減らすには限界があります。大福に使用されている餅粉など、でんぷん類は水分がないと餅状にはなってくれないからです。
餡にしても、水分がないと煮るという事ができず、水分を飛ばすのも限界があり、パサついた餡も美味しくなくなります。
では、菌の繁殖はどうやって抑えたらいいでしょうか。
自由水を減らす
科学的には、水分活性値(Aw)といって、食品に存在する自由水の割合が少ないほど日持ちします。
砂糖や塩には水分と結びつく性質があり、結びついた水分は自由水から結合水となります。結合水は細菌が栄養源として使うことができません。
つまり、菌の繁殖を抑え日持ちさせるには、砂糖や塩をできるだけ入れて自由水を減らすのが効果的、という事になります。特に塩の方が水分活性値を下げる効果が高いので、日持ちの面では隠し味的に取り入れるといいです。
できるだけ塩・砂糖を入れるといっても、水分に対して溶ける限界値である飽和量というものがあります。飽和量を超えてしまうと、製品にしたときに再結晶化といって塩や砂糖の粒が現れてしまい、ジャリジャリして美味しくありません。
なので、品質・日持ちを考えると、砂糖を飽和量スレスレあたりまで入れる場合が多いのですが、砂糖だけを使うと製品が甘くなりすぎてしまいます。
そこで、甘味度の低い砂糖を使う事が求められます。
水あめ、トレハを駆使する
甘さを控えたいときに、とにかく水あめやトレハは重宝します。家庭で使うには水あめですね。
砂糖と水あめ、もしくは砂糖とトレハを混ぜることで再結晶化が抑えられ、甘さを控えつつ糖の割合を増やすという事ができます。
全体的には糖の割合は3~40%までいくので、砂糖と水あめを半々などにしておくと、甘さがかなり抑えられます。(水あめの方を主体にした製品もよく見られます)
日持ちの面では、菌の問題だけでなく、餅が硬くならないようにしないといけないですが、糖の割合を増やすことで硬化も抑えられます。
日持ちする大福において、糖の役割が非常に大きいといえます。ただし、糖が多く水分が少ないのでカロリーが高めである点は注意が必要です。
駄菓子っぽいのもあるけど。
駄菓子っぽい製品もありますが、冒頭の製品はバリエーションにこだわってますし、クリームも使われているので相当な開発力です。
こっちのページは賞味90日となってますね!!
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「製造から約30日~90日弱の製品をお届け」だそうです。在庫の関係があるから仕方ないですが、買う側からすれば最低70日くらいは欲しい。でも凄いなぁこういうの作りたかった。。
しかも、保存料に頼ってないのがいい。和菓子はこうでなくちゃ。肝心の味が気になる。