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和菓子 材料~作り方

大福生地におすすめの材料を探る① もち粉VS白玉粉

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白玉粉とは

仕事で「白玉団子」をよく作っておりました。しかし、僕は白玉粉をほとんど扱った事がありません。白玉粉ならではの食感が出る事はわかっていても、高いので使う事ができませんでした。様々な業務用澱粉によって食感を如何様にも変化させる事ができたので、安価な上新粉+加工澱粉のミックスで白玉団子風製品をつくっていたのでした。大福生地に関しても、もち粉と加工澱粉をミックスさせて、同じ様に安価に作っておりました。

久々に大福生地で遊んでみたくなったのですが、家庭だと、そんな業務用加工澱粉はほぼ手に入りません。。。そこで白玉粉の使用が候補にあがってきます。もち米が原料のもち粉で大福生地を作っていましたが、白玉粉の原料ももち米です。

普通の団子は一般的に上新粉(うるち米が原料)で作りますが、団子であっても白玉団子は白玉粉で作る事で、あのモチプルッとした特有の食感が生まれます。白玉粉はもち米の澱粉質の割合が多い粉末です。もち米の澱粉質といえばアミロペクチン。伸展性は抜群なので使い方次第では大福生地にも向きそうです。

米を粉末にする際、ロール挽き、胴搗き製法、水挽き法、気流粉砕法など、色々あるのですが、白玉粉というのは、基本的にもち米を水挽きして粉末にしたものです。この製粉技術というのは色々あって、機械によっても製粉メーカーによっても違います。

(ちなみに水挽きというのはもち米に限った事でなく、うるち米を水挽きした米粉はよく使用していました。上新粉とはまた違ったサラッとした感触の米粉で面白かったです)

水で挽くと澱粉質が多くなる理由が今一つよく分からなかったので調べたのですが、下記の文献を見ていると、そもそも水で挽くと粉末粒子が細かくなり、それだけでもコシや餅感が出たり、水で挽く事で澱粉の損傷度が抑えられたり、と読む程によくわからん・・・じゃがいもを水でこして片栗粉を取り出すのと同じじゃないのかな・・・とにかく、食感が変わります。。

有 坂 将 美,中 村 幸 一,吉 井 洋 一:製粉方法 を異 に した米粉の性質:澱 粉 科 学(Denpun Kagaku)第39巻 第3号p.155~163(1992)〕https://www.jstage.jst.go.jp/article/jag1972/39/3/39_3_155/_pdf

福永淑子(川村学園女子大学 人間文化学部教授)日本うるち米純麺の製造及びこしの強さの制御法に関する調理学的検討 平成20~22https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-20500696/20500696seika.pdf

もち粉と白玉粉、どちらを使うか

近年のお菓子はよりソフトで柔らかめ食感が好まれる傾向にあり、大福に至ってはコンビニで見られる、まるで飲み物くらいに柔らかい製品があるくらい、柔らかくて伸びる生地が好まれていると思います。(トレーに入れてピロ包装しないと包装できないやつ。食べずらいですけどね)

昔ながらの大福であれば、コシがなければ大福じゃねぇ!という職人気質の方もおり、僕もその嗜好性を持っていたのですが、コシを付けた大福を提案すると決まって固い!という評価を貰っていたものでした。(コシをつける為に上新粉をブレンドしたりしていました)自分の感覚では求肥生地みたいにしないと提案が通らなかったです。

という事で、伸びのある柔らかさと、その中に感じるコシを両立していくのが生地の理想と思うわけです。澱粉質が強化された白玉粉の方がいいのか、上質の餅粉の方がやっぱりいいのか、久々に大福をつくるに当たって迷ったので、調べました。

楽天:1462円+送料700円

YAHOOショッピング:1280円+送料(条件付き送料無料)・・・YAHOOショッピングの方が何故かお得みたいです。

上質な軟質米というと、滋賀県産羽二重餅、北海道産ハクチョウモチ、宮城県産ミヤコガネモチを考え、上記を見つけました。ミヤコガネモチでおはぎを作った事があり、非常に美味しくできた記憶があります。送料はネックですが、間違いない餅粉だと思いました。

送料無料で手が出しやすい。賞味期限6ヵ月と設定しているところがポイントが高いです。米粉は全般的に保管中に酸化臭が増していくので、ひきたてで大福を作ると美味しくなるのです。

コスパ的には最もよさそう、かつ米の品種がしっかり載ってるのがいい。ヒメノモチ、ココノエモチ共にコシが出やすい事では定評がある。しかし、大福生地にしたときの伸びという点ではどうなのか。でも発送形態を選べるのはいいですね。

●白玉粉の場合、どれを選ぶか。。

↑↑すいません、上記楽天にしかありませんでした。

白玉粉なら、送料無料で、国産餅粉100%で品種が特定できるものがいいな、と思っていたら、早速見つけました。ヒヨクモチを使用しているとの事です。ヒヨクモチも軟質米、ヒヨクモチのおはぎも柔らかく美味しく出来ていた事があるので、自分としては目を引く商品でした。チャック袋もポイント高し。

これ1択で早速買いました。他はどうしても高いものが多いです。

これで大福を作るなら、対抗馬としては、やはりちょっと高いですが、ミヤコガネの餅粉で大福を作るしかないと考えてます。もち米を蒸かして搗いて作るという手もあるのですが、手間を考えれば粉で作るのがおススメです。

タピオカ粉は使えるか。

タピオカ粉を買ってわらび餅を先日作ったわけですが、https://benzoyl-cafe.com/japanese_sweets/how_to_make_warabimochi1(こちらの記事参照)タピオカ粉でできるテクスチャーを確認したかった意味合いもあります。

大福やその他生地をモチモチさせる為に良く使っていた加工澱粉があったのですが、タピオカ粉の質感が結構似ていたので、大福生地にも応用できるだろうな、と考えました。あまり使用し過ぎると米の風味が薄れてしまうので、当時の様に餅粉の20%置き換えくらいで、今後使用してみたいと思っています。

しかし、肝心の安い餅粉が見つからないので、引き続き探そうと思います。

有名店の材料はどうなのか。

弁才天:覚天山フルーツ大福

フルーツ大福によって「萌え断」なるバズりワードを生み出した、新興の有名店ですね。ホームページには高級羽二重粉を使用した求肥、とあります。求肥生地と白あんの黄金比にこだわったそうですが、材料にもこだわっているのは流石だなと思います。

岡埜栄泉:豆大福

超有名店で、豆大福は圧倒的人気があります。ここまで老舗のところだと、餅粉でなく米から搗いて作っていると思いますが、その米は宮城県産ミヤコガネモチのようです。さすがミヤコガネ。

その岡埜栄泉をルーツとした瑞穂の豆大福もミヤコガネを使用しておられるようです。

出町ふたば:豆餅

「豆餅」として豆大福が有名です。上記にて、さらっと書いてありますが、羽二重もち米を使用して2度搗きをする製法を確立しておられるとの事。生地にも並々ならぬこだわりが垣間見えます。

たねや:近江大福、オリーブ大福など

最中で有名な、たねやさんですが、滋賀県を拠点とするだけあって、もち米は羽二重もち米を使用しているようです。

◎たねや和菓子詰め合わせはこちら◎

たねやグループさんといえば、クラブ・ハリエブランドのバウムクーヘンもしっとりしていて美味しかったです。原材料何になってたっけ、もち粉とか入ってたりして。

※~産~使用、とよく記載されている製品がありますが、ちょっとでも使用していれば~使用と載せる事は出来てしまいます。原材料表示をよく見るとわかる場合もあるので、色々な製品を実際に買って食べて研究してみたいと思っています。

※有名店で、白玉粉を使った大福を探してみましたが、見つかっておりません。まぁ以前から聞いた事がなく、コスト的に使用が厳しいでしょうか。また、同コストならブランド物のもち米の方がメリットがあるという事でしょうか。しかし、家庭で作る場合など、和菓子の可能性を広げるという意味では、白玉粉で作る大福というのは、和菓子を作ってきた者としては是非やってみたいと思う製品なのでした。

ここまで有難うございました。

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