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和菓子 材料~作り方

わらび餅の作り方①(和菓子工場仕込み風)

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前書き~

某大手チェーンさんに、自分の作ったわらび餅が採用された事があります。なぜわらび餅を提案したかというと、作るのが簡単だからです。職を離れてから久々に作りたくなってきて、作りました。(作り方は下の方にあります)

なぜ簡単だったかと言うと、機械設備的な部分もありましたが、加工でんぷんという、安価で便利な物があったからです。わらび餅は本来、本わらび粉というわらびの根から取った澱粉で作る物なのですが、この本わらび粉はkg当たり数万円と高価過ぎて大量に使用できません。その為、加工でんぷんで代用された製品がほとんどです。僕も当時は、本わらび粉の使用は数%に抑えて、残りは加工でんぷんで代用していました。

本わらび粉を50%ほど使用して作った事もあるのですが、正直、加工でんぷんで作った時との差は、色以外にはほぼ感じられませんでした。(逆に色は真っ黒になり、ある意味高級感は出るのですが)見た目の清涼感も相まって、代用粉でのわらび餅で十分であると思います。

画像はイメージです。

片栗粉もそうですが、でんぷんというのは水と熱を加える事によって糊状に固まります。これをでんぷんのα化といいます。加工でんぷんはこのα化するまでの時間が短いので、生産性が上がる事、透明感がアップする事、また、加工でんぷんで作ったわらび餅は冷蔵・冷凍で容易に保管できるようになり、劣化する事なく市場に流す事ができるようになります。(わらび餅が劣化した場合、透明感は失われ、食感もボソボソになります)

しかしこの加工でんぷん、ご存じの方もいると思いますが、2008年に食品添加物指定されております。一口に添加物と言っても安全と言われているものもあり、加工でんぷんも長らく安全と言われていました。しかし、加工でんぷんの中の「ヒドロキシプロピル化」というでんぷんは、安全性のデータに乏しいとの事でEUでは乳幼児向け食品には使用禁止になっていたりします。

そこで、家で久々に作るに当たり、テーマを持って取り掛かる事にしました。

1.添加物を使わない(加工でんぷんを使用しない)

2.透明感を出来るだけ出す

3.冷蔵・冷凍保管を可能にする(検証が必要)

1・・・そもそも家庭では加工でんぷんが手に入りにくいので、代用として片栗粉(馬鈴薯澱粉)・タピオカ粉・甘藷(さつま芋)澱粉が候補になります。僕が使っていた加工でんぷんはタピオカ系だった為、今回はタピオカ粉を使用しました。

2・・・片栗粉由来の加工でんぷんもよく使用していましたが、透明感には欠ける場合が多く、食感もわらび餅とは少し違う物になるので、タピオカ粉に決定しました。わらび餅粉、として売られている甘藷澱粉でもいいのですが、タピオカ粉の方が比較的安価なようです。

3・・・加工でんぷんなしで、冷蔵・冷凍耐性を持たせようとする場合、砂糖によって耐性を付けるのが有効です。普通のグラニュー糖(焦げやすい上白糖はわらび餅には不向き)でも耐性は付くのですが、グラニュー糖+水あめ、とかグラニュー糖+トレハロースなどの方が効果が高いのです。トレハロース単体も考えましたがトレハも砂糖の倍と高く、トレハロースに準ずる効果のあると言われるオリゴ糖をよく使用していた経緯があり使用を思いつきました。直鎖オリゴ糖という安価な物を使っていたのですが、25kg入り業務用品しか見つかりませんでした。具体的な効果は不明ですが近い物と思われるイソマルトオリゴ糖シロップを使用しました。腸内環境などの健康効果も期待できるかもしれません。

作り方~

1.タピオカ粉 36g

2.イソマルトオリゴオリゴ糖シロップ  120g

3.水 120g 

(+熱湯を都度使用)

これだけです。出来上がり量で300gを想定しました。+熱湯というのは後ほど。事前にある程度沸かしておきます。

①1,2,3をボウルに量ってホイッパーで混ぜる。(3、2、1の順で量りながらボウルに入れていくと速いです。結果的にシロップとタピオカ粉が水にしっかり分散していれば問題ありません

②ホイッパーで混ぜながら火にかける

見づらいと思いますが、一部固まったダマが浮いています。

③固まりかけてきたら、ホイッパーからヘラに持ち替える

④ヘラで整え餅状に均一にする

この状態でも食べられそうですが、ここからが勝負です。

⑤同時進行で沸かしておいた熱湯を適量投入する。

餅がギリギリ浸るくらいの熱湯をそそぎ、餅を煮る様な感じで加熱していきます。この時、餅がボウルにくっついたままだと焦げるのでヘラではがす、餅を細切れ状にすると、より透明になりやすいのがポイントです。

⑥熱湯が蒸発してきたら餅が焦げない様にヘラでかき混ぜ、再び餅状に均一にする

⑦ ⑤~⑥を3回ほど繰り返す

かなり透明になりました。あまりやりすぎると焦げる&気泡が入りすぎて見た目を損なう原因になるので3回でやめました。

うちはIHなので火力が足りるかわかりませんでしたが、弱い火力で十分でした。強いと焦げます。

もう少し煮たかったですが、なかなか透明になったと思います。出来上がり量としては290gでした。ヘラに10gほど付着したと思えば、ほぼ狙い通りでした。水加減は固さの好みがあるので、煮ながら加減する感じですね。

餅状のまま加熱しても中々透明感は出ません。煮るのがポイントです。冒頭で簡単と書きましたが、透明になるまで練るにはコツは要ります。より透明になった方が冷蔵・冷凍耐性が増す事となり、今回のテーマとして重要な工程と捉えました。

色付きタッパーに入れてみると分かりやすいでしょうか。なかなか透明にできたと思います。2つに分けて、1つは冷蔵保管、もう1つは冷凍保管して様子を見ようと思います。

タピオカ粉の割合にもよると思いますが、加熱時の使用感としては、加工でんぷんと遜色ありませんでした。仕上がりの物性としては思ったより伸びがある感じです。甘藷澱粉の方が弾力があると思われ、タピオカ粉だと比較的とろとろの状態になる事がわかりました。よりとろとろにしたい時は水かオリゴ糖シロップを多めに仕込むとできると思います。(水が多すぎる場合は冷蔵・冷凍耐性は弱くなります)

ここまで有難うございました。保管後の様子は別記事で書こうかと思います。

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