ローソンで販売されている「どらもっち」が人気のようです。ローソンで出てくるスイーツは、正直当たりはずれもありますが、商品力、企画力等も含めてレベルが高いな~と感心する次第なのですが、どらもっちは食感といい形状といい、生クリームの合わせ技といい、和菓子好きにははまる商品なのだろうと思います。この特徴ある餅食感生地を、これまた久々に作りたくなりました。
白玉粉VSタピオカ粉 仮説
ネット上のレシピを見ていると、ほぼほぼ小麦粉+白玉粉を使用している事がわかりました。
どら生地を餅食感にする事は、10年以上前から取り組んでいたのですが、何を使っていたかというと、タピオカ系の加工でんぷんでした。丁度よく先日買ったタピオカ粉が余っていました。なので、巷で白玉粉の使用がメジャーになっている状況に一石投じてみたくなり、タピオカ粉でつくる事を思い立ちました。
白玉粉ではないですが、近いところで、どら生地に餅粉を使用した事はあります。餅粉を使用した場合は、タピオカ系加工でんぷんとは違って、しっとりしたソフトな餅感が出ました。タピオカ粉の方が明らかに弾力が出ていたので、白玉粉よりもタピオカ粉の方が利くのではないかと。白玉粉でつくった事もないので、これは両方やってみなければ。
※大体、どのショッピングサイトを見ていても、白玉粉よりタピオカ粉の方が半値くらいに安いですし、効果、コスパ的にもタピオカ粉の方が優れていると仮定しました。
ちなみに、小麦粉の割合を増やすだけでも餅食感になったりしますが、これは餅食感というより、粉っぽいといった方がいいですね。
配合案①(開発)
- 卵:Mサイズ4個
- 上白糖:160g
- イソマルトオリゴ糖シロップ(この前余ったもの):40g
- みりん:8g
- サラダ油:6g
※混ぜて2分割した後↓↓
①小麦粉+白玉粉:40g+40g ②小麦粉+タピオカ粉:40g+40g
ベーキングパウダー:①、②それぞれに0.4gずつ(重曹をとく為の水2gと共に)
これでいきました。甘さを抑えたかったので、余ったイソマルトオリゴ糖シロップを使用しました。(なければトレハでも水あめでも、全部上白糖でもいいと思います)
①の結果
ところが、今回使用した白玉粉は粉末状ではなく、じゃりっとしたタイプであったため、融かすには水が必要でしたが、水を足したくなかったので、そのまま投入してみました。
②の結果
タピオカ粉は完全に粉末なので、簡単に使えました。で、焼いて食べてみたものの、残念ながら餅感がほぼありませんでした。小麦粉の割合が少ないため、グルテン量が落ちて厚みが出ないのは仕方ないですが、中はしっとりした気がしましたが、外が固いというか、
わらび餅はタピオカ粉で簡単に作れたというのに、何故なのか・・・、この辺は今後の研究課題としました。
配合案②
白玉粉を最低限の水で融かして、もう一度やってみました。
A
- 卵:Mサイズ2個
- 上白糖:80g
- イソマルトオリゴ糖シロップ:20g
- みりん:4g
- サラダ油:3g
B
- 白玉粉:30g
- 水:25g
C
- 特宝笠:75g
- ベーキングパウダー:0.4g
①A・・・ボウルに卵をといたら、上白糖からサラダ油まで、順番にボウルへ計量しながら投入。湯煎しながら、上限30℃くらいの温度をキープしホイッパーで混ぜ合わせ、砂糖をよく融かす。(注:卵をとかない状態で上白糖を入れてしまうと黄身がほぐれずダマダマになります)
②B・・・白玉粉と水を合わせ、しっかり練り状になるまで捏ねて、白玉粉のダマをなくす。
③Bができたら、Aを混ぜたものを少し投入して均一の液状にした後、AとBを均一に混ぜる。
④Cを投入してよく混ぜ、20分ほど寝かせてから焼く。
(宝笠を使ったので、他の小麦粉の場合はもう少し足す必要があると思います。)参考記事はこちら!
結果!!!
今回はじゃり型?の白玉粉なので、量を増やすと、融かす為の水も増やさねばならず、結果的に小麦粉7:白玉粉3くらいになりました。加工でんぷんでやっていた頃はでんぷん3でも充分効果が出ていたので、どうなるかと思いましたが、結果としてはある程度できたかな、というところです。
しかし、その食感は、以前餅粉でもち感付与を試みたときの食感と似ていました。やはり白玉粉も餅粉の親戚という事で。言葉では説明しにくいですが、タピオカ系加工でんぷんの場合、一見柔らかくても、噛んだ時に本物の餅を食べてるような歯ごたえ・弾力を感じるのですが、白玉粉の場合は、弾力というか、ちょっと固い、でも歯切れは悪くないから、結果的には餅感を感じる。というのが自分の感想です。もっと配合次第でよくなるとは思ったので、これも今後の研究課題ですが、タピオカ粉でも白玉粉でも、タピオカ系加工でんぷん使用製品の完全再現というのは、難しいかもしれないと思いました。
しかし、タピオカ系加工でんぷんで作ったとしても、計時変化や、餡の水分を吸うなどして、餅感というのは次第に失われていきます。
●餅感強度のイメージ
タピオカ系加工でんぷん使用:出来立て>タピオカ系加工でんぷん:2~3日後≧白玉粉使用>>タピオカ粉使用
というところでしょうか。自分は出来立てもよく食べていたので、それと同等を期待してしまったのですが、普段出来立てを食べない一般の方は白玉粉の代用でも充分と考えて当然と思いました。そもそも、粉末状の白玉粉で小麦粉と5:5くらいまで持っていけば、もっとモチモチするかもしれません。結局好みもありますしね。
米粉を使ってみるとか、今後もアレンジしてどらもっちを目指してみようと思います。
どらもっちの特徴
ところで、気づかなかったのですが、どらもっちってモンテールさんだったんですね。モンテールのどら焼きといえば、山芋が常に入っている、という事を僕はマークしておりました。このどらもっちにもながいもが使われております。
ながいものパウダーかもしれませんが、生地にふんわり感を付与する事には一役買っていると思います。もっちりさせるだけだと固くなる場合もありますし。そして、白玉粉は特に使用されておらず、加工デンプンが使用されております。
やはり、計時変化後にも餅感を維持するためには加工デンプンというのは、どうしても使わざるを得ないという事ですね。加工デンプンは2008年から食添扱いで、それまでは単なるデンプン表記でOKの、比較的安全な物質と言われていましたが、ものによっては安全性データに乏しいとして使用を制限してる国・地域が実はあります。
詳しく言うとアレですが、水素添加という加工を施している場合があるわけで。水素添加加工という意味ではマーガリンも同じです。しかし、そのマーガリンは食添扱いでなく、加工でんぷんは食添というのは、いささか不公平な気がしますが。
もし気になる方は白玉粉を使って、家庭で作る事をおススメしますが、どらもっちは冷蔵保管でも餅感をかなり維持している凄い製品なのは(冷蔵保管するとでんぷんが劣化して、より餅感が失われていきます)間違いないので、まだ食されてない方は是非。
こちらもおススメ↓↓↓
販売ページに原材料情報が載ってるのがいい。餅粉を使用との事ですが、 澱粉の役割も大きいとみました。添加物少な目なのもいいですね。
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↑↑こちらはパティシエの方の開発品。餅粉の柔らかな餅感と共に、洋菓子テイストなふんわり感も楽しめそうな一品。
もっと家庭で旨いものをつくってやる~続く!
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