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宝笠の威力 スーパーおススメ小麦粉

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菓子業界に携わる方には、増田製粉の宝笠というのは一大ブレンドとして認識されており、業界シェアでは日清製粉や日本製粉には敵わないものの、愛用者が多い小麦粉です。家庭用として使用してもスポンジケーキ、シフォンケーキ、饅頭、カステラ、天ぷらまで、小麦粉なので色々な用途に使用できる、おススメの小麦粉です。

 仕事で色んな小麦粉を使ってきたけど、この宝笠はお高いって事で使ってきませんでした。むしろ高いので敬遠していました。

 よく引き合いに出されるのは、日清製粉のスーパーバイオレットでしょうか。和洋菓子ではグルテンの形成を抑えて、軽くてふんわりした食感を目指す為に薄力粉を使用します。約9.5%以下の小麦粉が薄力粉としてカテゴライズされますが、スーパーバイオレットはたんぱく質が約6.3%とかなり少なめです。

 このスーパーバイオレットよりさらにおススメだ、という事で、同じ日清製粉のエンジェライトという銘柄の小麦粉を、商社さんから紹介された事があります。たんぱく質は8.1%でありながら、そのキャッチフレーズは、ふんわり・しっとり・とろける、と強烈であった為、スーパーバイオレットを超える逸材か!?と期待してサンプルを受け取りました。

 僕は同時期に、宝笠でどら焼きを作って欲しいと、お客さんから依頼を受けておりました。しかし、エンジェライトの見積額が宝笠を下回っていたので、エンジェライトならばより美味しい製品を安価で提案できる、と考え、一応比較の為に、エンジェライトのどら焼きと、宝笠のどら焼きを焼成テストしました。

非常に驚きました。宝笠で作った方が物凄い粘度が出たのです。

あまりに粘度が出たので、水を大量に入れて粘度調整せざるを得ませんでした。でも、水を大量に入れたというのに、驚く程ふんわり仕上がりました。

同量では水が余計に必要とわかったので、宝笠の量自体を減らして2回目やってみました。

さらにふんわりしました。

最終的な配合調整では、同じ様などら焼き生地を作る場合、宝笠の量はエンジェライトの約85%で十分だ、という事がわかりました。(僕のどら生地レシピでの話なので、あくまで参考値です)

こんなイメージです。(価格もあくまで目安ですが)

宝笠(220円/kg×85%=187円) 

エンジェライト(200円/kg×100%=200円)

小麦粉だけの原価で考えると、エンジェライトを軽く下回ってしまったのでした。エンジェライトで作った方も柔らかくしっとりして全然悪くないのですが、宝笠の方のボリューム感、ふんわり感が圧倒的で、宝笠での提案で即決しました。(製品原価を考慮すれば、宝笠を92~3%くらいにして、水を足した方がいいかもしれません。もちろん製品によりますが)

スーパーバイオレットとの比較はしてないのですが、宝笠ほどの吸水性はないと思われ、エンジェライトと同様で、下記の様なイメージになります。

宝笠(たんぱく質7.7%×85%=約6.5%)

スーパーバイオ(たんぱく質6.3%×100%=6.3%)

小麦粉そのもののたんぱく質量は宝笠の方が多くても、量を減らして使用できるのでスーパーバイオレットと同じくらい軽い食感を目指せる、という事になります。

たんぱく質が少ないから高級な小麦粉だ、とか、高い小麦粉はコスパも悪いとか、一概には判断できないという事がよくわかった事例でした。

宝笠最大の特徴とはこの吸水性にあります!!!

※エンジェライトやスーパーバイオレットを否定するものではありません。あくまで僕のどら焼きレシピ上の話です。

 他の商社?さんからリパックされた物も販売されているようですね。

 このTOMIZさんの製品を購入して使ってみましたが、中身は増田製粉と同じ物のようです。

年始に、久々に特宝笠を使ったどら焼きを作ってみました。

予想通り、ふんわり、美味しく仕上がってくれました。

食感的には亀十のどら焼きに近いものもできるかも。。

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