トレハと私(的な)
トレハロース、商品名「トレハ」。20年前から使用してきました。僕の上司はもっと前の、商品名がトレハオースだった頃から使用しており、その流れで当たり前の様に使ってきた為、その効果について長らく実感する事がありませんでした。僕のその実感のなさは、あのTVCMで登場してきたトレハ星人によって決定づけられたのです。
画像の引用の仕方が良くわからない、と思いながらトレハ星人を眺めていると、これ書いた方が早いわ~という事で・・・
怖い・・・・
トレハロース、真の特徴とはこのトレハ星人!!
トレハを次世代の糖と位置づけ、近未来感を出したいのはわかるのですが、どう考えても近未来にこのトレハ星人には会えない気がします・・・しかも、たかいたかいビームを発する、59歳である、という細かいスペックを持っています。
しかし、当時の僕でも、非常にわかりやすい特徴がありました。単純に旨い事です。仕事が佳境に入ってくると、もう腹減って腹減って仕方ないので、その辺の砂糖でも舐めたれ~となるわけです。で、普通の上白糖とかを舐めると、まぁ旨いんですけど、ヘタってカラカラになってる喉がジリジリするのでした。
で、おもむろにトレハを舐めてみると、うまい!!んです。ジューシーな旨さ!のどごしも抜群。麦芽糖も舐めてみましたが、より甘さ控えめではあるものの、まったりとしついこい甘さなのです。トレハはすっきり爽やかテイスト。で、ベンダー式自販機でコーヒーを買い、トレハを溶かして飲んでみたら旨い!など、当時その味に魅了されておりました。
本題~
製品開発をするようになって、トレハとはそもそも何なの?と効果を調べていると
- 食品の保水性を維持できる
- 澱粉の老化防止効果がある
- 食品の褐変を抑制する
- ガラス化しやすい
と、まぁ色々とあるわけなんですけれども。日ごろ使ってる割に当時はよくわかりませんでした。1,2に関しては普通のグラニュー糖や上白糖でもその効果がありますし。
糖の甘さの感じ方をでグラフ化(横軸:時間、縦軸:甘さの強度)した物を甘味曲線といいます。ショ糖とトレハを簡単に(実際と違うかもしれませんがイメージです。赤丸の部分が強調したい所なので)比較したイメージが上図です。
↓↓トレハの特徴を一つ加えます。
6.ショ糖の甘味度を100とした場合、トレハは約45である
ショ糖とはスクロースとも言われ、グラニュー糖や上白糖の主成分です。(グラニューはショ糖ほぼ100%、上白糖は約99%)甘味度の数値はピークの甘さであり、ショ糖のピークが100とするとトレハや45という事です。
しかもトレハの赤丸の部分、甘さのピークを過ぎてから急降下しています。トレハを口にして甘さを感じると、その後スッと消えていく感覚があるのですが、それを表したものです。僕がトレハがキレがあって美味しいと思っていた理由は、これに由来するものでした。
甘味度が低い、甘さのキレがいい、保水性の効果、澱粉の老化防止効果、とそれぞれの特徴を持った糖というのは他にもありますが、全てを兼ね備えていて比較的安価なものはトレハ以外にはないと思います。
トレハの弱点
トレハの弱点はトレハ星人、比較的安価と書きましたが、やはり普通の砂糖の倍くらいしてしまう事ではないでしょうか。トレハは菓子業界ではレシピに組み込まれているのが当たり前なのですが、どうも家庭には思ったより馴染んでないようです。
食品の品質を上げる効果が期待できるトレハなので、流通にのせる、消費者へ届いてからの品質を考慮する、等を考えると、使用しておいた方が安全だ、と企業は考えるわけです。家庭とは違って商社から安く手に入りますし。
しかし家庭で作る場合は、早ければその場ですぐ食べられてしまうので、やれ計時変化による保水性だとか澱粉の老化防止とかを余り気にしないのは当たり前だと思います。あまり気にしない事の為に値段が倍はするトレハはそりゃ使われないかもしれません。
トレハの弱点は他にもあります。たかいたかいビームの意味がわからないトレハの効果を充分に引き出そうとして、砂糖と丸ごと置き換えて使おうとしても使いにくいという事です。(当然コストも上がりますが)
トレハは低温だと非常に溶けにくいので、低温状態でしっかり糖を溶かす必要があるお菓子では大量に使用できません。(生の状態であまり高温にできない焼菓子生地など)
また、丸ごと置き換えると、かなり甘さ控えめにはなりますが、甘みによって隠されていた臭みやえぐみが表面に出てきてしまう時があります。僕が感じたのは乳製品を使用した餡の試作を食べていたときに臭みが気になった事があり、聞いてみたらトレハをかなり使用した、と。
どうもトレハ自体に臭みやえぐみを消す効果がある、と言われておりますが、実際の効果は僕にはわかりませんでした。それより、甘さを控え過ぎて出てくる臭み・えぐみを考慮するべきだと思います。適度に甘さを抑えれば素材の味が生きてくるので、トレハを砂糖の何%置き換えるかを考えるのは開発時には重要な事でした。
おすすめの使い方
自分にとって、長らく味以外の部分で効果がよく分からなかったトレハなのですが、歴然たる違いに気づいた時がありました。
どら焼きばっか作っていたので、どら焼きの話になりますが、とある特殊な生地を作っていたとき、原料単価を落とそうとしてグラニュー糖だけで当初作ったのですが、時間を置くとべちゃついて、菌数も増えてしまい、商品化を諦めかけていました。しかし、試しにグラニュー糖とトレハを半々にしてみたところ一気に改善して、なおかつ、ふっくらした生地に仕上がったのです。
いつも時間がなく、トレハ有りと無しをしっかり比較できていなかったとはいえ、この違いは衝撃でした。特に膨張剤を増やす事なくふっくらしてくれた事がよかったです。
澱粉の老化防止効果を前面に押してきた商社の方もいたのですが、澱粉の老化を止めるものは他にもたくさん使っていたので全く刺さらなかったです。しかし、ふっくらさせるのは原料や技術が伴っていないと結構難しいもので、添加物とはいえ安全性の高いと思われるトレハで改善してくれた事は非常にうれしいものでした。
小麦粉と相性がいいのか、焼きものに適しているのか、はっきりわかりませんが、家庭で作るスポンジ生地とかパン生地の膨らみ方を良くしたいときに使用するのが一番いいのでは、と思います。おすすめと書いておいて推察の域を出ず恐縮なのですが・・・
再度実験するとなると、どこで買うか・・・
(お読み頂き誠に有難うございました!!!)
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自分はどうしてもこのサイズで欲しくなってしまいます。8500円、送料無料とあります。kg単価425円ですね。このくらいの値段で小ロット欲しくなってしまいます。
とりあえず買うならこのサイズでしょうかね~。試してみたい方は購入を検討されてください。
こんな商品も見つけました。いやでも、中身は同じトレハの様な気が・・・使い方がしっかり書いてあるのでしょうか。
ちなみにトレハ星人の人形を買ってこどもにプレゼントと思いましたが、売っていませんでした。。。残念。