和菓子を家庭で作るのは、業務用の機械設備がないのが痛いのですが、しかし、家庭によくある物といえば電子レンジ。
これを使わない手はないですね。わらび餅も是非やってみなければ。
レシピ1(タピオカ粉+イソマルトオリゴ糖シロップ)
以前のレシピをそのまま応用しました。※関連記事参照
タピオカ粉:36g
イソマルトオリゴ糖シロップ:120g
水:120g
をレンジ耐性のある容器に計量します。
①よく溶かして、600wで1分半加熱し、念のためもう一度ホイッパーでよく混ぜる
②600wで1分半加熱(この時点で餅状になる、まだ白濁中)
③ヘラで良く混ぜた後、600wで2分加熱
もう透明になりました。なんじゃこれ、すげぇ簡単。よく試作作ってた頃も、こうやってレンジでやれば半分くらいに時短できてたじゃん・・・
澱粉は普通、10分くらい加熱しないと完全に糊化しないのですが、トータル5分の加熱で透明になってしまいました。もっとやればより糊化するかもしれないけど、充分と思えたのでここでやめました。しかし、、
和菓子の開発室にはレンジは必須ですね!!
どれほど冷蔵耐性が出ているのか、また冷蔵保管して検証してみたのですが、翌日には白濁して、もったり食感に変化しておりました。やはり加熱時間が足りなかったのか。手軽さとは裏腹の代償というところでしょうか。
レシピ2(タピオカ粉+トレハロース)
とりあえず簡単にはできるので、他のレシピでも作ってみなければ。という事で、イソマルトオリゴ糖シロップよりも冷蔵耐性がつく事を期待して、トレハロースに全て置き換えて作ってみました。
1のレシピ、イソマルトオリゴ糖シロップ120gをトレハに置き換えます。イソマルトオリゴ糖シロップの分析値がわからないのですが、この手の液糖は水分が大体30%なので、30%で計算、120×30%=36g(水分)、固形分が84gとします。
トレハロースは粉末ですが、含水結晶といって、水分が10%あります。固形分84g÷90%=約93gを使用
結果、イソマルトオリゴ糖シロップ120gをトレハ93gで置き換えると、120-93=27gの水分が足りなくなるので、増やします。
タピオカ粉:36g
トレハ:93g
水:147g
1のレシピと合計276gと半端ですが等量になりました。これで、より近い条件になったはずです。ちなみに、イソマルトオリゴ糖シロップの甘味度が30だとすると、1のわらび餅の甘味度は約13、2は約15となりました。(実際は水分が飛ぶのでもう2~3上がるでしょうか)いずれにしても、甘さ控えめです。
仮に、トレハでなく全量グラニュー糖にした場合は、タピオカ36、グラニュー84、水156(グラはほぼ水分0なので)で、甘味度30以上になります。僕の感覚では和菓子で甘味度が30を超えると甘々で食べにくくなるので、この配合比なら低甘味度の糖が必須と言えそうです。黒蜜等をかけて食べるとすれば、20未満にはしておきたいところ。
砂糖を少なくして水を増やしもいいですが、その場合は日持ちや冷蔵耐性が必ず落ちるので、なるべく出来立てを食べるべしですね(この場合はカロリーが低めなのは利点)。砂糖だけを少なくしてしまうと、相対的に澱粉の割合が上がって固くなってしまうのでNGです。
ネット上に色々なレシピが載ってますが、この砂糖の割合に着目して作る事をおススメします。
で、1と全く同じ作り方にして、冷蔵しました。
1と2の比較
レシピ2の仕上がりはこんな感じです!まぁ見た目的には1と同じですが。。
で、レシピ1と同じように、粗熱が取れたあと、冷蔵保管し、丸1日ほど保管して取り出す。
まぁやはり白濁はしてしまいます。しかし、その食感は弾力をしっかり保って、美味しく食べられるものでした。トレハならではのすっきりテイスト。
僕はオリゴ糖もトレハに近い冷蔵耐性の付与効果があるのでは、と踏んでいましたが、これはトレハの圧勝でした。トレハ!伊達じゃないわ。トレハが持つ保水力、澱粉老化防止効果がよくわかりやすい結果となりました。
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↑↑↑ちなみに、今回このトレハを使いました。開けてみて気づきましたが、粒子が結構細かい。これは林原のトレハ微粉ではないかと思います。普通のトレハよりも細かいトレハ微粉というのがあり、トレハの倍くらい高いのですが、細かく溶けやすいので使い勝手がいいのです。多少高くてもしょうがないか、と思って購入しましたが、微粉がこの値段(500gで647円)ならばお買い得かも!?微粉だと、生クリームに使っても溶けやすいので、おススメです。
それにしても、とにかくレンジ生産が楽でしょうがないので、色々と応用して大福生地とか、作っていきたいと思います。